シーズナルパターン

 ここでは、野尻湖の解禁(4月第4土曜日~11月第1日曜日)までの、シーズナルパターンでガイドの基本となる概要を説明します。

解禁・4月下旬~5月中旬くらい

マグナムシェイク


 この時期プリスポーン主体になりますので比較的口を使いやすいメスが狙い目となります。

いわゆるビッグママ、抱卵したお腹が大きく凄い体高の個体が釣れる魅力的な時期ですが、期間が短いのであっという間に過ぎ去ってしまいます。

オスはリスク回避のため日中はなかなか口を使わず、メスも朝夕が捕食の中心とはなっていますので、日中仕掛けて釣るルアーフィッシングには特殊なテクニックが必要となります。

 当ガイドでは、ワカサギが非常に多いなどの高活性時の場合には、ナカタジグ1/4ozとシャッド系ワームでただ巻きのマグナムローリングで狙えますが、学習能力の高い野尻湖のスモールには、マグナムシェイクと言われるジグヘッドとN-Shadによるボトムスレスレをシェイクしていく釣りを主にビッグママをターゲットにガイドします。

この釣りのタックルについては、水の比重や濁りの関係で2lbラインを使用、アクションのキレは必要ですので柔らかすぎないULクラスのロッド(スーパーデリカシーなど)がおススメのシステムです。

マグナムガイドではキャストから取り込むまでの一連の基本的な動作を大切にしています。例えば、取込み時には極細ラインでもブレイクしにくくバレにくい動きを勉強していただけるなど、この季節ではマグナムシェイクのメソッドを基本動作を含めご習得してください。

また、この時期のシーズンが進んでくると、表層での反応も出てくるのでN-Shadのホワイトカラーによる表層のパターンや、オスの動きが感じられるようになってくるとジグヘッドの縦方向のアクションが釣れるようになってきます。

それぞれの釣りは、それぞれの理論と同一線上にあるメソッドによって構成されていますので、難しい春の魚ですが解禁直後から楽しめます。

 

5月中旬~6月


 ミッド~(ポスト)アフターが入り始める時期、上記の時期終盤からこの時期の初期には、プリ状態のオスも狙える貴重な時でもある。

このシーズンの初期は水温も上がりだしアクティブな個体も増えてくることで、N-Shadの表層に反応する魚も多くなり、ジグヘッドやテキサスリグ・ナカタジグ・スモラバなども効きはじめます。

シーズンが進みポスト系が多くなってくると、気温の上昇や釣りのしやすさなど全体の雰囲気に反して意外に難しくなります。

 テキサスリグがメインパターンとなってくると、とにかく巨大な個体が揃ってしまう時期なのでテクニカルな釣りと釣果の両方で満感を得られます。

このテキサスリグはアクションが非常に重要ですので、タックルとリグはライン14lb・シンカー1/2oz・ワームは5インチ以上でセレクトし、理想のアクションが出やすいバランスにします。また、ファイト時間を短くするため巨大な個体とのガチで引き合うので、切られにくい太めラインは必須です。

アクションについては、動きが違えばほぼバイトしないほどシビアなものですがが、ルアーの動きさえ合えば驚きの確率でバイトしてきます。

そのためロッドについても6ft前後・Mクラス(Hammerhead-jig Edition 61M センシティブなど)を使用してアクションに対応させることと、Mクラスの柔らかさが魚の弾きを抑え、短尺のロッドでフッキングレスポンスを上げています。

 このシーズンがさらに進んで意外に難しくなると、軽いジグヘッドのマグナムシェイクや、I字系ミノー、スモラバなどが有効になってきます。

テキサスリグもスタイルに変化をつければ一時的に有効ですが、上記のようなライトなリグの特殊釣法が徐々に優勢度を増していきます。

これと同時期、ワカサギの成長度合いや動きによっては、次世代の群を中層で攻略するナカタジグ1/4ozのスイミングパターンがありますが、シーズン毎にムラがあるのでここでは情報のみで。

※近年では、春早い時期から暖かくなることがあるので、このシーズンが早い時期にずれることもあり期間とは必ずしも一致しないことがあります。

 次のシーズンへの移行期が見え始めると、スモラバやナカタジグでボトムを攻略する走りの個体が出始めるようになります。

次シーズンのパターンや釣り方などは、魚の動きや状況・状態を予測し決めていきますが、回遊方向に動くのか?水深を変えただけでこれと同じシーズンをを繰り返すのか?がパターン選択に直結する見極めの重要なファクターとなります。


7月~8月中旬


 この時期は通常ですと回遊方向に移行してき、ナカタジグで大きな個体が連発で釣れるシーズンに入ってきます。

近年では水温の上昇過程や日照・またはエルニーニョ・ラニーニャなど自然環境などが大きく関係し、ミッド~ポストを繰り返す個体も多くなっているようです。

 通常通りの移行を見せる場合はナカタジグだけで一日中飽きることなくバイトが期待できます。
自然環境の変化でベイトの動きや成長具合などに影響し、ジグだけで対応しきれない時はスモラバで釣果を優先することもあります。

このシーズンのナカタジグは主にボトムが中心となりますが、ナカタジグ3/8oz・ロッド65Mクラス・ライン10lbの基本セッティングで、リアクションさせない動きを意識してアクションします。スモールに狩りをさせるイメージで報酬学習をさせることを考えています。

このメソッドは、このシーズンに移行してくる初期には非常に有効で、ナカタジグだけで一日中釣れ続くことが珍しくありません。

 ナカタジグのメソッドで攻略しきれない自然環境の変化に対応するため開発されたのがスモラバとN-BOMERの組み合わせです。

小さくてもジグで、というのがこのスモラバと釣りの開発目的でしたが、通常の動きが感じられない時でも狙い通りの素晴らしい釣果が出ています。

通常は、シーズン当初はズル引きのメソッド、シーズンが進むとゼロ釣法を駆使したメソッドと変化していきます。

このスモラバの釣りは、このシーズンから終盤まで幾度か形を変えながら威力を発揮し続けます。是非メソッドの習得をしてください。

 この時期に有力な虫パターンについては、時期的なムラがあり、当初から良い場合もあれば前の釣りの時期から釣れる場合もあります。

この釣りを追う中では、7月の下旬から8月の上旬のどこか1週間が非常に良いとされる時期なのですが、最近ではこれがずれることも多々出てきています。

そういった場合でも当ガイドではサイトを基本としてアプローチからの重要なメソッドとして確立した虫パターンで口を使わせていきます。

ワーム系のルアーで動かさないという奥の深いものですが、このメソッドの重要なポイントは多く、使うルアーのパワーだけでないのを実感します。

ここ最近はジャッカルでの新しいルアー開発にも携わり、さらに数段上を目指せる虫パターンを目指しています。

 同時期に有効なフリーリグのメソッドについては、現時点で一応の釣れる理由も解明できています。

次のシーズンからは検証を含めて再現となるわけですが、これも自然環境に影響されたベイトの動きに強く左右されているようです。

もちろん新しい動きなので反応している個体も少なくないのですが、環境の変化でジグに反応しにくくなってしまうようなベイトの動きに対して、このリグが有効となっているようです。


8月中旬~9月下旬


 お盆すぎると難しくなるといわれる野尻湖ですが、ナカタジグの中層スイミングとスモラバのボトム・中層の使い分けがパターンの中心となり、釣果はハイシーズンと変わらず、じつは、むしろそれよりも良いときすらあるのがこの時期です。

 ナカタジグの中層スイミングは、3/8oz~1/2ozへと変化させていくのですが、トレーラーの大きさも3.5インチ~4.5インチなど大きくて派手な動きに変化させていくようにします。

ロッドも65Mクラスから71MH+以上に変化させていきますが、ラインは8lbで統一というアンバランスな感じですが変化はなしです。

この釣りが良い状況にあるときは、9月どころか10月になってもメインパターンとなるのですが、やはり近年では自然環境の変化の影響でスモラバやフリーリグに変わることが多いのも事実です。

ですので反対の言い方をすれば、普通に釣れる状況もあるわけで、周りを見ても普通な釣りで釣れていると感じるときさえあり、特に最近は皆さんこの時期に難しく感じてないんじゃないかと思うときすらあります。

 そのフォローとなるスモラバについては、この時期からウエイトが上がってきたりトレーラーのカラーに変化が出てきます。

アクションについては、8月上旬から言える事なのですが、長い距離を引かないと反応しにくい時もありますので、その場合はトレースラインを見つけることが必要です。

ベイトが色濃く関与している場合には、スモラバでも中層でトレーラーの違いにより対応することがあります。これも比較的早い時期から言えることです。


10月~11月上旬(禁漁)


 この時期からは、スライトネスというダウンショットでの特殊なテクニックが効果的で、ターンの影響で朝夕極短い時間に捕食行動が集中してしまうため、大型は出にくいものの数十単位の数が釣れる時期になります。難しくなる理由としては以下のように考えています。

ターンが入ると水質の悪化により、不要な物を食べてしまわないようリスク回避のため口を使いにくくなると考えています。

特に大型の個体は、それ以上大きくならなくても良い状態に成長しているので、体力を温存することになっていると思います。

ただし、確実に捕食対象と認識ができること、しかもイージーに捕らえることができる対象には比較的口を使いやすいようです。

と、ネガティブな話は並びましたけど、実際のスライトネスは破壊力半端ない玄人好みの釣りです。

理論値と練習は必要ですが、一応タックル・リグについては下記のとおりになります。

ロッドSJ63SUL+(Slghtness)やSJ63XUL+(Super Slghtness) ラインは2lbでシンカー0.9g~3.5g時には6gまで使うこともあり、ワームは3インチ前後の小さいものを複数カラー使用します。

 近年では開発されたN-BOMERのノーシンカーでの釣果が認められており、この釣りのセッティングの構築も仕上がっているので、この釣りで終盤の野尻湖が攻略できることを目論んでいます。